WILインタビュー:ブリギット・ウォルターさん

ブリギット・ウォルターさんのインタビューをご紹介します。

スペインにあるBMLDというライティングデザイン事務所の創設者であり、デザインプリンシパルとしてご活躍です。

 

 

 

動画はこちら

womeninlighting.com

 

 

注)

日本語訳ですが、結構端折っている部分や間違っている箇所もあります。

あまりに違うところは修正していきますが、大まかな意訳として大目に見てお読みいただければ幸いです。

 

Q. 自己紹介をお願いします。

ブリギット・ウォルターと申します。

バルセロナにあるBMLDと言うライティングデザイン事務所の創設者で、デザインプリンシパルとして働いています。

私が照明業界に入ったのはもうずいぶん昔のことです。出会いは偶然でした。

そのころ私は建築設計事務所インターンシップをしていて、バルセロナにあるオフィスビルの設計に携わっていたのですが

その案件は昼光について解決すべき問題がたくさんあったんです。

それがきっかけで、少しずつ照明と空間のことを学んでいきました。

とても面白かった。それでもっと照明のことを勉強したいと思ったんですが、

90年代のスペインでは照明をメインで学べる学校はほとんどなかったんです。

そこでニューヨークにあるパーソンズデザインスクールの大学院で照明を勉強することにしました。

無事学校に入ることができ、その後ニューヨークには10年間住んでいました。

私のキャリアはホートン・リー事務所から始まって、次はブランドストン事務所で働きました。

その時出会った人たちは皆私の良き指導者ですが、バーバラさんは特に素晴らしい方でした。

そうして2001年、バルセロナに戻ってスタジオを開くことに決めたんです。

当時のバルセロナでのライティングデザインの仕事は文字通り砂漠というか…ほとんど仕事がありませんでした。

私にとっても同僚にとっても、とても大変な時期でしたね。

私たちはバルセロナで大学院のプログラムを始めることにしたので、いろんなことが同時に動いていましたね。

 

Q. あなたの仕事について教えてください。 

私たちは普段常設の建築空間の照明デザインをやることが多いんです。

ごくたまに短い期間でのインスタレーションをやることがありますが、メインの仕事ではありません。

私たちの仕事は空間や機能を分析するところから始まり、建築空間を光で統合させる方法を提案します。

機能的な要求を満たすため空間機能に追随したり、経済的な面やレギュレーションを満たすための提案をします。

省エネ的な観点からも照明の制御を通じて機能面をより良いものにし、空間の深さ、アクセント、対比、素材を強調するのです。

 

 Q. あなたの「ライティングデザイン」に対する考えを教えてください。

ライティングデザイナーというのは、デザインチームにとって1つのカギとなる構成要素だと思います

照明を勉強し始めたばかりの学生たちに教えるときにこんなふうに説明するんですが

例えば私たちがオーケストラの一員だとして、まず建築家は間違いなく指揮者ですよね。

そして私たちライティングデザイナーは…フルートのような存在だと思うんです。例えばね!

フルートなしでもオーケストラを演奏することはできるし、他の楽器がそのパートを代わりに演奏することもできる。

でも聴衆にとっては、同じには聞こえません。

ライティングデザイナーの主な役割と言うのは人の知覚に機能して、空間やオブジェクトを照度、色温度、配光、システム制御に至るまで与件に対して正しく提供する事が重要ですが、

何より空間機能や時間の許す限り、プロジェクトの視覚的なアイデンティティーを確立することだと思います。

 

Q. あなたの「照明とテクノロジー」に対する考えを教えてください。

この質問はインタビューを受けているみんなにしているものだと思うんですけれど

照明業界全体が今とても大きな変化の中にいます。

LEDの進化が始まって、LEDは私たちに新たな視点や変化を与えてくれました。

照明光源の世界が大きく変わった。デジタル化したんです。

それまでの従来光源の電気的なオン・オフに対して、コントロール可能な光であるLEDという位置付けがされた。

LEDが台頭しはじめてもう10年ぐらい経ったんじゃないかしら、私たちは今やLEDを従来光源のように十分に使うことができます。

コントロールと言うのは1つの時間的な問題ですが、LEDはそれに適していると言えます。

今後のポイントはいかに情報を集めてそして使うかということになるかと思います。

これについてはすでにいくつかの実験などで検証されていますが、例えばウインドウディスプレイを見ている人が

何を見てるか、どのくらいの長さ見ているかなどを観察して情報を集めますよね。

そうした観察情報を集めていって、光をどんな風にすればそこにふさわしいムードを作ることができるのかをデータ化するんです。

例えばある人が怒っていることが情報として入ったら、家に帰ったときに何もしなくても光が優しいものに変化するとか。

どのくらい実現性があるかはなんとも言えませんが、実際物販店舗などのマスマーケットではすでにデータに基づいた消費者心理を意識して光を作っていたりします。

いろいろな意見があると思いますが、私は個人的には、生物学的なリサーチが照明の効果と結びつけばいいと思っています。

私たちの身体や振る舞い、健康に光がどのように影響与えるのか、そうしたことがマーケットにシェアされたらと思います。

 

Q.時間があったらどんな研究をしてみたいですか?

機会があれば人の健康に関するプロジェクトに関われたらと思います。

例えばリトリート施設なんてやってみたいですね。

とても特徴的なニーズがあるジャンルの仕事だと思いますが、

例えばあなたがそういう施設に行くとして、もちろん西洋とアジアの文化は違いますけど、

人は良い体験、特別な体験を期待しますよね。

光もそうした楽しみのプロセスの一部であってほしいと思います。

短い期間で良いのでそういうものをやってみたいです。

 

Q.あなたのお気に入りのプロジェクトを教えてください。

そうですね、私たちは楽しいプロジェクトをたくさんやってきましたけれど、

選ぶとすれば最新の2つのプロジェクトをあげたいと思います。

どちらも違った意味でエキサイティングなプロジェクトでした。

1つ目は「ズー」というレストランです。

私たちは素晴らしいチームに恵まれました。

全員が腕の立つプロフェッショナル集団で、私たちは他のプロジェクトと同じように

インテリアデザイナー、建築家、エンジニアとコラボレーションしながらプロジェクトを進めたのですが、

このときは舞台照明のデザイナーともコラボレーションしたんです。

それからショーを運営する会社にインハウスデザイナーがいて、ショーの部分もプロジェクトの大きな部分を占めていたので、

結果的に舞台照明と建築照明が同じスペースで機能するという、素晴らしい結果をもたらしました。

もう一つのプロジェクトはバルセロナにある商業施設です。

このプロジェクトは本当に予算がなくて。

建築家やインテリアデザイナーとともに、特徴的な動きを持つ5つの光のシーンを作って

それらを繰り返す独自の演出システムを作ったのですが、驚くべき仕上がりとなりました。

 

Q.あなたにとっての「挑戦」はどんなことですか?

これまでのキャリアの中でたくさんのチャレンジがありましたが、1番大きな困難だったのは2017年に父を病気で亡くし、その後すぐにプロジェクトのチームメンバーを亡くしたことです。

近しい人をなくすのは人生の中で最も辛い経験であることがわかっていますが、とても忙しい時期で、プロとしてすべき仕事がありました。

一緒にプロジェクトを進めてくれている人たちがサポートをしてくれて基本的なところを進めていてくれましたが、彼らも悲しい気持ちを抱えていました。

ずっとそばにいてくれたこと、そして素晴らしい人柄を持った彼らに、この機会に改めてお礼を言いたいと思います。

 

Q.あなたに強く影響を与えた人はいますか?

私はとても幸運な人間で2人の素晴らしい指導者に恵まれました。いや、素晴らしい先生は他にもたくさんいたんですけどね。

いまだに強く記憶に残っているのはジェームス・カーペンター先生です。

彼がパーソンズの先生でいるときに生徒になれてとってもラッキーでした。

昼光の専門家であるノリス先生も一緒に教鞭をとられていて、素晴らしい経験になりました。

それから、最初にインターンシップに行ったのがバーバラ・ホートンさんのオフィスだったのですが、

デザインについての進め方や視点を与えてくれたのがチョウ・リエンさんです。

彼はインターンシップを終えてからも私のメンターでいてくれました。

それからスコット・マシューさんにも感謝しています。

 

Q.あなたのインスピレーションの源はどんなことですか?

光は本当に予測できない楽しくて美しい素材です。

私たちは幸運なことに毎日光の表情を楽しむことができる。

光のプロであっても、すべてが出来上がって光が点灯するまで、どうなるかを正確に知ることはできません。

私はいまだに心配で眠れないことがありますよ。

 

Q.「WOMEN IN LIGHTING」について思うことを教えてください。

労働における男女平等のための闘いが、照明デザインや建築の限界を終わらせることが出来ます。

ですからこのWomen In Lightingのような、投げかけによって促進させる活動に感謝しています。

お互いの仕事を支え合いましょう。

照明デザイナーを目指す次の世代にはきっと女性が多くいるでしょうから

すべての人が自身の専門を生かすことができるよう、少しづつでもよくなっていくことを願っています。

 

Q.最後にメッセージをお願いします。

照明に限ったことではないと思いますが、女性たちにシンプルに伝えたいのは

やりたいことを思ったことにトライしてほしいということです。

形式的ではなく、あなたの感情や知性を理解し自分自身をサポートすることだと思います。

 

WILインタビュー:エイミー・ネルソンさん

エイミー・ネルソンさんのインタビューをご紹介します。

ニューヨーク・メトロポリタン美術館のライティングデザイナーとしてご活躍です。

 

 

 

動画はこちら

womeninlighting.com

 

 

注)

日本語訳ですが、結構端折っている部分や間違っている箇所もあります。

あまりに違うところは修正していきますが、大まかな意訳として大目に見てお読みいただければ幸いです。

 

Q. 自己紹介をお願いします。

皆さんこんにちは、私はエイミー・ネルソンと申します。

ニューヨークにあるメトロポリタン美術館(以下MET)で2013年からライティングデザイナーとして働いています。

はじめはアシスタントとして入ったのですが、2人のシニアデザイナーの仕事に触れるうちにライティングデザインへの興味が大きくなって、学校に戻ることに。

ニューヨークにある大学院でインテリアライティングデザインを学びました。

(※後述ありますが、エイミーさんはもともと学部時代には彫刻を専攻されていました)

学校の授業では私の目を開かせてくれたという感じです。

たくさんの照明手法があって、新しいテクニックや技術があって。

今ではアシスタントとしてではなく、自分で展示のライティングデザインを担当しています。

  

Q. あなたの仕事について教えてください。 

私は展示作品のライティングデザインに特化することが多いですが、美術館全体の光環境づくりにも関わっています。

METには様々なスケールの空間や展示があり、多くのパーマネントコレクションがあります。

展示と搬出のローテーションが頻繁にありますし、作品が貸し出されたりすることもあるので、のんびりはしていられません。

作品の保存状態から、光に対してとてもデリケートな配慮が求められる作品もあり、展示する時間がとても限られる場合もあります。

細かな事ですが、大切な作品を長く守っていく上では必要な仕事です。

私たちのチームでは、まず朝1番にギャラリーに入ってオープン前にリフトなどを使って照明の調整をします。

より良い展示環境のために大小すべての部屋を見て回るんです。

1つの展示で250前後の作品が展示されますが、私たちは普段から学芸員と密にコミニケーションをとりながら、その作品の持つストーリーを伝えます。

作品をベストの位置で楽しんでもらうために、ディテールにこだわるのです。

METで私が好きだなと思うなのは、5000年以上にわたる美術の作品がここに集められているということですね。

紙の作品から写真、彫刻、絵画、映像作品、インスタレーション作品と作品の形式は様々です。

もしそれらの作品を照らす方法が1つしかなかったら、本当につまらないと思います。

美術作品に対しても、また美術館の大きなスケールの空間に対しても、毎日が新しい挑戦をしているような気持ちです。

 

 Q. あなたの「ライティングデザイン」に対する考えを教えてください。

美術館では主にフリーランスのライティングデザイナーが働いているか、照明分野の専門家がいない場合もあります。

そういう場合は普段照明をメンテナンスしている人がその役を担っていたりしますが、

もしも展示のオープニングの日にその見栄えが素晴らしかったとしても、何か問題が起きた時に調整をしてくれる専門家はいません。

その人が美的な感覚や考えを持っていてくれれば、展示期間中に問題が起きても解決してくれるかもしれませんが‥

美術館の規模にかかわらず、照明のスペシャリストがいることで得られるメリットは大きいと思います。

 

Q. あなたの「照明とテクノロジー」に対する考えを教えてください。

私たちはMETで照明の仕事をしていますけれど、例えばルートロンの調光を使うとなれば私たちはすべてのルートロンの機器のことを理解している必要がありますね。

今ちょうどMETでも調光設備をアップグレードしているところなんですが、とても挑戦的なことです。

テクノロジーがどんどん進んでいて、多くのデザイナーが頭を悩ませていることだと思いますが、、毎年多くのプロダクトが製品化されて、マーケットの中にたくさんの選択肢があるなかで、クオリティーの高い製品を探し出す必要があります。

それからテクノロジーの進化を逃さないために、ライティングデザイナーの1つの技術として学ぶ必要があります。

他の分野の専門家に頼る時も出てきますし、今のテクノロジーはすでに光の色味の調整だけの話ではなくなっています。

本気で全部自分でやろうと思ったら、コンピュータープログラマーのような技術も必要になりますし。

ですから自分の技術や知識を常にメンテナンスしていくことが大切です。

例えば私たちの美術館でこういう器具が欲しいんですよねと言って、それが見つかったとしても、4年後にはその技術はもう既に古くなっている。そうなればうまくはいかないでしょう。

技術をアップデートしていく費用も含めて、どうテクノロジーと歩幅を合わせていくのか。

そうしたことも予算として考えなければならないと思います。

少し前まではハロゲンライトが主流で、ストックをどのくらい持っておくのかや器具の交換時期を予測して運営することができましたが、今はLEDに変わりつつあるので同じ方法論ではうまくいきません。

例えば7年後まで補修が必要なかったとしても突然に大きな予算が必要になったりすることも考えられます。

たくさん考え直すべきシステムのあり方があるんだと思います。

LEDは驚くほど有益なものですし、テクノロジーも器具の開発に伴って進化していく。

LEDライトは確実にいまだに新しい光源ではありますけど、主要な光源として使われていくでしょうし。

Q.時間があったらどんな研究をしてみたいですか?

私はLEDに関して公共のスペースでたくさんの経験を積んでますけれど、多くの場所でLEDはまだまだ不快に思える見え方や使い方であることが多いですね、、

器具が見えにくいように配置してあったり、強い光を拡散させたりする方法で使われてはいますが、多くの場合、明るすぎるのがとても気になります。

それと、私のバックグラウンドは彫刻専攻なので、作品を照らしだすことももちろん興味深いですが、器具のデザインにも興味がありますね。

 

Q.あなたのお気に入りのプロジェクトを教えてください。

一つ一つのプロジェクトがとても際立っているものなので、、、

METブロイヤービルでブラジルのリージャ・パぺと言うアーティストの展示を担当したことでしょうか。

彼女がビルのいちばん大きなフロアで展示をしたことがあったのですが、作品はミックスメディアなものだったのでその照明をやるのはとてもチャレンジングでした。

紙の作品から彫刻まで彫刻、映像作品、インスタレーションまで多岐に渡りましたが、この展示に携われてとても良かったと思います。

特に最後の展示室の作品は驚きに満ちたものでした。来館者がブラックボックスの中に入るとそこには金の糸が天井から吊るされていて、、、驚くべきインスタレーションの世界があるんです。これまでの人生の中でも彼女のスタジオと仕事ができてとても光栄でした。

暗い空間の中に天井のグリットに合わせて光の筋が降り注ぐ世界を作る。これは本当にチャレンジでした。ベストの位置と光源で金の糸を光らせるためにもモックアップを使って検証する必要がありました。

とても素晴らしい展示になったと思います。

 

Q.あなたにとっての「挑戦」はどんなことですか?

この仕事を始めて、私は自分をアーティストからデザイナーへと進化させていったように思います。

私のメンターであるリチャードさん、クリントさんとともに、アシスタントの仕事からプロジェクトデザイナーの仕事へと、都度に役割を変化させながら自分自身の仕事を構築してきました。

今では主導権を持って展示のライティングデザインを担当するまでになりました。

 

Q.あなたに強く影響を与えた人はいますか?

クリント・カラーさんとリチャード・リックさんは、私にとって特に影響力が強い人たちですね。

私のライティングデザイナーとしての修練やキャリアにとって欠かせない人たちです。

二人とも本当に豊かな知識と経験に基づいた技術を持っていて、彼らと共に働くことで多くのことを学んでいます。

私に対して我慢強く接してくれますし、知識を余すところなく分け与えてくれます。

 

Q.あなたのインスピレーションの源はどんなことですか?

そうですね、光は全てであり、どこにでもある。

光は私にとって芸術としてあり、ある空間をどのように経験しそして自然環境も私に気づきや驚きを与えてくれる存在です。

それから、照明の周りにあるコミュニティーもそうです。

今後どんどん関わって行きたいと思っているのですが、照明のコミュニティーに参加するとそれがいかに大きな存在かに気づきます。

皆さん様々な道を経てライティングデザインにたどり着いていて、そんな人たちに出会うといつも本当に驚かされますし、励みになります。

 

Q.「WOMEN IN LIGHTING」について思うことを教えてください。

ウーマンインライティングの活動は本当にすごいと思うんです。

私はただプラットフォームを与えられただけで、前に出て経験や物語をシェアしているだけ。

多くの人が気づいていない視点があるかもしれない。

こうした活動によって改めて認識されることが、最初の1歩になっているのかなと思います。

チャンスに飛び込んで、リスクを取ることを恐れないように、女性たちを勇気づけて外に出るように促すことが重要です。

特に不安な時はチャンスがやってきても断ってしまいがちですが、誰しもやってみたいという相反する気持ちがあるじゃないですか。

あなたがもし自分自身を押し出せば、多くの女性たちがすでに他の女性たちをサポートする体制を作り上げようとしていることがわかるはずです。

 

Q.最後にメッセージをお願いします。

リスクをとること。

あなたの内なる声を聞くこと。

あなたのアイデアや貢献に対して信用を得ること。

そして他者をサポートすること。

 

2020年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

ありがたいことに昨年もたくさんの良い縁に恵まれ、新しい人々に出会い、お仕事をさせていただくことができました。少しだけ振り返りを。

今まであまり機会がなかった飲食店舗のライティングデザインがとても面白く、一つ一つのプロセスにじっくり取り組みました。器具の確認はもちろんですが、素材を取り寄せたりショールームに行って実物確認したりすることもよりリアリティを持って設計する上で助けになりました。イメージの器具を探して家具屋さんを回ったりしたのも新鮮でした。大学の同級生とも仕事ができたことが嬉しかった!

母校の大学で1年生の光デザイン課題を担当させていただいたことも大きな刺激になりました。若い人たちと接する機会が少なくなる中、毎週進化していく学生たちを見るのが楽しみでした。手を動かして原寸で試してみること。自分がどういう空間を作りたいのか問い続けること。日々の積み重ねの大切さと、デザインに近道はないということを改めて感じました。

やっぱり楽しいイルミネーション。取り付けの方法を模型で伝えたり、現場に張り付いて職人さんとやりとりしつつ決めていくシーンが多かったように思います。イルミにかかわらず電気に関わる施工者さんへきちんと説明するプロセスが絶対に必要で、電気や現場のことをもっと知っていれば良いコミュニケーションの流れを作れるのかなと思っています。昨年第2種電気工事士の試験を受けてみたのですが実技で落ちてしまったので(時間内に終わらなかった)今年も挑戦しようかと。

より良い眠りと目覚めのためのアドバイスをしたり、舞台照明の手伝いをしたり、今までとは少し違った角度でライティングデザインと向き合う機会にも恵まれました。

またライティングデザイン以外にも美術家の方とお仕事させていただいたり、家づくり学校の1年生になったり、写真撮ったり、編み物したりと、何やら手と体を動かして色々なものを作った面白い1年でした。

お仕事をご一緒させていただいた皆様、支えてくださった皆様。

たくさんのお力添えを頂き心から御礼申し上げます。

 

2020年はすでにいくつかのデザインプロジェクトが現在進行形で動いています。

新しく取り組みたいと思っているのは暮らしのあかりについて。

建築家の方やクライアントさんとの関わり方や情報発信の方法を含めて提案できるよう計画中です。

ブログでも細々と活動中のWomen In Lighting、日本企画やります。

あと体力をつける!

 

日々の縁を大事にしつつ、デザインの手触りを確認しながらまた一歩一歩進んでいこうと思っています。

まだまだ未熟者ではありますが皆様本年も何卒ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

 

 

リュスフース 廣木 花織

 

 

WILインタビュー:クラウディア・カッペル・ジョイさん

クラウディア・カッペル・ジョイさんのインタビューをご紹介します。

アメリカにあるCONCEPT LIGHTING LABの創始者でありデザイナーとしてご活躍です。

 

 

動画はこちら

womeninlighting.com

 

注)

日本語訳ですが、結構端折っている部分や間違っている箇所もあります。

あまりに違うところは修正していきますが、大まかな意訳として大目に見てお読みいただければ幸いです。

 

Q. 自己紹介をお願いします。

私の名前はクラウディア・カッペル・ジョイといいます。

オーストリア出身でアメリカに住んでいます。

私は建築と建築照明を勉強して両方のフィールドで15年ほど仕事をしています。

私はコンセプトライティングラボの創立者で、共同創立者である私の夫と作った会社で5年前に創設し、6年目になります。

私の会社は5人のスタッフがいてアメリカ南西のアリゾナの街にあります。

もし知りたい方がいらっしゃるようならかなり南なんですがメキシコとの国境から数分の所です。

私はオーストリアグラーツと言うところで建築設計を学びました。

卒論を書く際にスウェーデンアイスホテルを作るプロジェクトに参加する機会に恵まれました。

「白さ」がテーマでしたが、卒業するまで1年このプロジェクトに取り組みました。

そこで自分が照明の事について何もわかっていないことに気づき、

もっと照明のこと勉強する必要性を感じて、スウェーデンの学校で学ぶことにしました。

私の基本的な興味は、空間の雰囲気作りと光のあり方についてです。

 

 

Q. あなたの仕事について教えてください。 

先ほどお話ししたように私たちのスタジオには5人のスタッフがいて、主に建築照明に特化しています。

外部のデザインチームと共同しながらプロジェクトを進めます。

一緒に共同する建築家やデザイナーは照明に興味のある人が多いですね。

私たちは専門的な電気の知識から昼光と人工照明バランスを含めホリスティックな空間デザインを提案しています。

今までのプロジェクトのポートフォリオを見ると、その多くはハイエンドな住宅やホスピタリティーのある商業プロジェクト、

それからインスタレーションのようなアート照明のプロジェクトなどがあります。

 

 Q. あなたの「ライティングデザイン」に対する考えを教えてください。

ライティングデザインをよく理解していない人が最初に思い浮かべるのはランプのデザインですよね。

もちろんそうなんですけど、そうした器具的な光のデザインだけではなくて、

消費電力などの電気的な事も含めてシステマチックに進んでいく面もあります。

これまでに建築家や他のデザイナーとコラボレーションをしてきて面白いと思うのは

それぞれのデザイナーがそれぞれのアプローチや方法論、コミニケーションのプロセスを持って臨んでいることです。

その違いが面白さでもありチャレンジでもあるのかなと思います。

私たちのプロジェクトパートナーは、どんな異なるアプローチであってもそれを反映してくれます。

私たちは通常昼光の分析から始めるんですけれど、

時によっては設計のプロセスにまで戻ってデザインを調整しなければならないこともあります。

それは消費電力のことだけではなくて、昼光のバランスが重要なんですね。

それから昼光のコントロールのためにフィルターをどういったものを用いるのか、

その上で人工照明を配置していくのかなど、戦略を立てるのです。

大抵光のことだけではなくもっと深い、空間への理解が必要とされます。

 

Q. あなたの「照明とテクノロジー」に対する考えを教えてください。

私は専門的な知見を持って仕事をしていますが、学ぶ事は常にあります。

照明のテクノロジーは常に変化していっていますから。

それゆえに興味深い分野でもあると言えると思うのですが、

コンスタントに変化していて本当にエキサイティングですね。

LEDの進化をここ数年だけ見ただけでも、

科学的なアプローチもあり、それからリサーチに基づいたマーケットができたり・・・

そういったことが同時多発的に起きていることがとても面白いです。

私はよく思うんですけれど、ライティングデザインや他の分野も含めて

私たちは新しいテクノロジーに対してとても注意深くなるべきです。

速すぎる位のスピードで受け入れられ広がっていくのですから。

照明の新しいテクノロジーとして光のコントロールが今とても大きな話題であり、

マーケットが出来上がりつつあります。

光をコントロールする技術としてインターネットを介したものは

照明だけでなくあらゆるものとネットワークが広がっていく。

とても興味深い事ですが、よくよく注意しなければならないものだと思います。

健康面でのことや、また経済的なリアリティー、つまり誰がそのシステムを使う金銭的余裕があるのか

またそのような大きなアプリケーションから得られたデータをどう使っていくのか。

未来のテクノロジーはとても注意深く見られるべきだと思います。

 

Q.時間があったらどんな研究をしてみたいですか?

日中の光と人の知覚との関係を調べてみたいですね。

どう表現するのかノーアイデアですけど、

多分何かしらのインスタレーションのようなスケールのものになるんじゃないかな?

見た人がどんなふうに反応するのか観察したい。

 

Q.あなたのお気に入りのプロジェクトを教えてください。

ここ数年のすべてのプロジェクトがとても大切なプロジェクトなんですけれど、

1つ挙げるなら「ホワイトルーム」という2003年のアイスホテルでの論文プロジェクトです。

気づきの機会を得たというか、とても興味深い経験になりました。

このプロジェクトが誇らしい理由としては、長い時間をかけて論理的に理解したプロセスであったことと

デザインの表現としてたくさんのことを学んだことです。

プロジェクトはクライアントとのコラボレーションでもあるんですが

このプロジェクトを通じてリアリティーを持って臨むことができました。

一見似たようなプロジェクトでも、一つ一つが異なるプロセスを経て出来上がっています。

よく考えられた光のデザインは空間の魅力を増幅させ、価値のあるものへと押し上げます。

このプロジェクトでは部屋の白さが特徴なのですが、

素材のクオリティーやディテールがデザインの核となりました。

実際にお客さんが中に入って、それぞれにその環境を読み解き理解していて

それを端から見て反応したりしているのを見るのはとても面白い経験でした。

そういう経験ができるのは今でも何年経った今でもとても幸せなことですね。

 

Q.あなたにとっての「挑戦」はどんなことですか?

「チャレンジする」と言う時には、乗り越えるべき壁が1つあるというわけではないと思うんです。

私は今は小さな規模で事務所を運営していますけれど、

たった5人のスタッフがいるような小さな会社でもたくさんのチャレンジが常に起こっています。

デザインする上でたくさんのやらなければならないことがありますし、

時間や業務のマネジメントも同時にやっていく必要があります。

チームの一人一人が大きな影響を受ける部分でもあります。

それともう一つは地理的なチャレンジでしょうか。

都心から遠く離れたこの地でデザインすることを選んだので

何か新しいものを見たりするにも都心まで行かなければならない。

クライアントとやりとりするためにも遠出しなければならないことが多く、決して楽ではないんですが

独立した環境の中で、独立したスタンスであるということが

私たちの利点の1つでもあると思うんです。

もちろん数年がかりでの、とてもチャレンジングなことでしたけれど、

今になってみると実際にはよかったのかなって思います。

 

Q.あなたに強く影響を与えた人はいますか?

最初に思い浮かんだのは友人のカイ・ピーポですね。

みんなから愛される光のような人です。

たくさんのことを考え理解してくれてインスピレーションをたくさん与えてくれる人です。

あるプロジェクトのリーダーだったカイとニコラスが私を責任あるポストに立ててくれました。

私が成長できると本当に信じてくれてそのような機会を与えてくれたんだと思う。

彼が空気で私が飛べるように翼を支えてくれたような感じで、とても感謝しきれない位感謝しています。

それと余談ですが個人的にもう一つとても感謝してることがあって、

夫と出会ったのも彼が引き合わせてくれたんです笑。

 

Q.あなたのインスピレーションの源はどんなことですか?

光の現象を観察する事は本当に楽しくて。

移り変わっていくところを見たり、どんな原理で動いていて、私たちの注意を引くのか。

たったひとつの瞬きの間に計り知れないほどの情報が飛び込んでくる。

不思議な光の効果を見ているのは本当に楽しいです。

とてもリフレッシュできるなと感じるし、インスピレーションを受けるんです。

 

Q.「WOMEN IN LIGHTING」について思うことを教えてください。

私は正確な数字はわからないんですがカンファレンスがあってなどで登壇者を見ている限り

発表者の男女のバランスはまだ取れていないように見受けられますね。

それが何故なのか、はっきりとした確証は無いんですけど、

思うに女性たちはたくさんの肩書を持っていて、それぞれたくさんのタスクに追われていて、

厳しい環境の中を生き抜いているんじゃないかしら。

カンファレンスのために申し込む必要があるときに越えなければいけない壁があって、

女性は多分まだその壁を越えるためのベストな擁護者を得られていない。

女性はよくサポート的な役割につくことが多いですが、それと同じサポートが返ってくるわけではないですし。

それをどう変えていったらいいのか、そのヒントが女性のリーダーたちなんじゃないかな。

他の女性たちを励まし導いていくんではないかと思うんです。

 

Q.最後にメッセージをお願いします。

本当に一般的なことですが、

あなた自身が何を求めているのかを問い、理解すること。

そこからだと思います。

助けを求めることや目標にどうしたらたどり着くけるかを学ぶこと。

そしてあなたが「準備ができた」と感じたら、もう周りの人には何も言わせないこと。

ただ熱意を持って進むのみです。

とても大変なことですが、近道はありません。

自分にはできそうもないと思うなら、少なくとも今のあなたの人生では難しいことなんだと思います。

今はたくさんの良いネットワークがあり、たくさんの頼れる女性たちがいます。

でも同時に、そこにはたくさんのサポートしてくれる男性の同僚たちもいることも忘れずにいるべきですね。

 

能力、責任、そして情熱が必要です。

あなたがもしライティングデザインへの道を進むことを望むなら、

自分自身の道をたどり、やるべきことをこなしながら進めばいい。

そのルートに制限はありません。

 

Women In Lighting 企画概要

いきなりインタビュー記事からスタートしております当ブログですが

そもそもWomen In Lightingはどんな思いから始まり、一体何を目指しているのでしょうか?

 

始まりは2018年11月の終わり。

企画の発起人であるLight Collectivehttps://lightcollective.net/が、メールマガジンを通じてこの企画を発表しました。

内容は欧米の話題が中心ですが、共通している部分がたくさんあるのがとても興味深いです。

 

今年3月のプレスリリース文はまた別の記事で。

 

 

 

Women In Lighting

 

「デザイン業界における女性たちについて話すとき、それをマイノリティーの問題に置き変えるべきではありません。私たちは、私たちのヒロインに敬意を表する必要があります。なぜなら彼女らの存在が認められない限り、次世代の女性たちにデザイナーという職業を推奨することなどできないからです。」 Ilse Crawford

 

ここ数年で照明を専門とする女性グループの数が増えています。アメリカではWILD(WOMEN IN LIGHTING+DESIGN)の活動がますます活発になってきており、イギリスでは建築・工学・舞台照明の分野においてすでに女性のためのネットワークがあり、最近ではSTEM(科学、技術、工学、数学)でも女性にフォーカスした広告キャンペーンを実施しています。 

これは社会のニーズを満たすために起こったのか、それとも単なるフェミニズムの高まりに対応して起こったのか?イギリスでのSTEMにおける女性の統計が低いままであることは間違いありません。イギリスでは中核となるSTEM企業で働く女性は23%、高等教育でSTEMの科目を受ける女性は14%でした(2017年IET英国工学技術学会調べ)。あらゆる職業における女性の数は着実に増加していますが、それらは文書化されていません。イギリスでの職業団体における女性会員数もまた低いままです。PLDA(Professional Lighting Designers' Association)メンバーの女性会員比率は12%、ILP(Institution of Lighting Professionals)メンバーでは12.3%です。また技術系の学校では女性の校長は明らかに少数派です。

女性は建築や工学よりもライティングデザイン分野において職業を形作ることに大きな役割を果たしてきました。照明とは異なる多様なバックグラウンドを持つ人々であっても、ライティングデザインの専門性を深めていくための多くの機会が開かれているからです。ライティングデザインの職業は女性を支援する産業です。コミュニティの中で情報を共有することに長けており、それゆえに、それを必要とする女性たちを支援できる産業であると考えます。

来たる2019年の国際女性デー(3月8日)に、私たちは新たなプロジェクトとして - Women in Lighting - を開始することを発表します。これは人々にインスピレーションを与えるような、新たなデジタルプラットフォームの作成を目的とする記念的なプロジェクトです。照明業界の女性たちの情熱と業績を促進し、キャリアデザインと目標を描く手助けをし、仕事をたたえ、そして照明業界におけるデジタルプロフィールを向上させるものです。 

本プロジェクトでは統計を収集し、女性をどのように照明業界に招き入れていくかなどの問いに答えていきます。ライティングデザイナーとしてのキャリアを確立した人たちは、どうすれば女性を最もいい形でサポートできるでしょうか?ライティングデザイナーとしてのトレーニングを始めたいと思っている女性を助けるためには何ができるでしょうか?

また本プロジェクトは、これから照明分野で仕事を始める女性やそれを考えている人たちを奮い立たせ、支え、そして励ますために、現在照明業界で働いている女性たちのプロフィールを特集します。これはデザイナーに限らず、教育・ジャーナリズム・その他の照明関連の仕事をしている女性も含まれます。  

そして、これらの統計結果やインタビューなどのデータベースを含んだウェブサイトを公開します。プロジェクトの一環として、関連するイベントや教育の機会も予定しています。

本プロジェクトは男女の不平等について議論するものではなく、むしろあらゆる人を受け入れることについて、そしてこれが私たちの職業、社会全体にどのように有益であるかについて伝えていくものです。

あなたがこのプロジェクトに賛同し力を貸して下さるなら、私たちはとても嬉しく思います。

 

Light Collective & formalighting

今年もやります工BAR

昨年に引き続き鯰組さんの年末イベントでライティングデザインを担当させていただいています。その名も「工BAR」。

普段は大工さんたちが木材を加工している「工場」が「工BAR」として一夜限りオープンします。

 

昨年の様子はこちら

http://lyshus.com/Works_kou%20bar_jp.html

 

今年のテーマはアラビア(!?)ということで、タニタハウジングウェアさんのメタルなスクラップ材を使わせていただいて

アラビアンナイトを作ろうじゃないかという作戦でございます。

f:id:Lyshus:20191209214911j:image

光源はおなじみ建設現場用のライト。

フードとドリンクは銀座の秘密のバーから出張開店。

 

どんなバーになるやら今から楽しみです。

お時間のあう方はぜひ遊びに来てください!

 

工BAR ~inspired by Arabia~

開催日時:2019年12月21日(土)17:30~20:00(17:00開場)

場所:株式会社 鯰組 板橋区東坂下2-8-1

   JR埼京線 浮間舟渡駅  / 都営三田線蓮根駅より

   どちらも徒歩10分ほど

参加費:2,000円(ワンドリンク・フィンガーフード付、2杯目以降500円、ソフトドリンク持ち込み可)

 

f:id:Lyshus:20191209214936j:image

 

WILインタビュー:アレクサンドラ・シュレイマー・パイヤンさん

アレクサンドラ・シュレイマー・パイヤンさんのインタビューをご紹介します。

スウェーデンのSwecoという大手設備設計事務所でライティングデザイン部門のマネージャーとしてご活躍です。

 

動画はこちら

womeninlighting.com

 

注)

日本語訳ですが、結構端折っている部分や間違っている箇所もあります。

あまりに違うところは修正していきますが、大まかな意訳として大目に見てお読みいただければ幸いです。

 

Q. 自己紹介をお願いします。

アレクサンドラ・シュレイマー・パイヤンといいます。

スウェーデンストックホルムのSWECOという会社でライティングデザイン部門のマネージャーをしています。

照明業界に入ったきっかけは学校である先生と出会ったことで、

その時私はインテリアデザインを学ぶ学生でしたが

「光のことを知りたいなら、ヤンショーピン大学に行くべきよ」と。

それで、ヤンショーピン大学のライティングデザインコースに進みました。

そこでの経験は素晴らしいものでしたが、第2課題だったと思うけど

船が漕ぎでたというか「・・・これだ!」って感じがしたの。

そこで2年学んだ後、もっと専門的に学びたくてコンストファク(王立美大)と

KTHの建築照明デザインコースで学びました。

ライティングデザインの仕事にはつけないだろうと思っていたけれど、

設備事務所でデザインの仕事につくことができました。

 

Q. あなたの仕事について教えてください。 

私たちのチームは都市の中の建築やインテリア、遺跡のライトアップ、橋や地下鉄の全体コンセプトなどを

手掛けています。

他分野にまたがる学際的な素晴らしいチームです。

 

 Q. あなたの「ライティングデザイン」に対する考えを教えてください。

ライティングデザイナーは視覚と物理と生物学を融合させることができる、唯一の専門性を持った職能だと言えます。

デザインテクノロジーと健康に関する知識を駆使して光にアプローチしています。

 

Q. あなたの「照明とテクノロジー」に対する考えを教えてください。

専門性という縛りから、今後より様々な分野との協働が必要とされてくるだろうと考えています。

私の会社でも建築家、ランドスケープアーキテクト、工業デザイナー、照明デザイナー、エンジニア、昼光のスペシャリストなど様々な専門家が一つのチームとして動いています。

また照明器具もいろんな意味でスマートなものになってきていますので、

単に物を見るためというだけでなくコミニュケーションツールとしても光を考えていくことが重要だと思います。 

 

Q.時間があったらどんな研究をしてみたいですか?

絶対に都市計画と昼光とのつながりについて探ってみたいですね。

私たちの都市はどんどん密度が上がっていますから昼光の利用やクオリティはますます重要になっていきます。

昼光の専門家の同僚たちにはいつも刺激を受けています。

昼光を効果的に活かすためにどんな方向に建物を配置するかを考えることで

その建物の部屋が売れやすくなったりするわけですから。

 

Q.あなたのお気に入りのプロジェクトを教えてください。

どのプロジェクトにもそれぞれのゴールや乗り越えるべき問題があるので

そうした中でチームと共にあることが何よりもまず誇らしいと感じます。

いつも自分が何を担えるかということを考える必要があると感じます。

そうですね、その中でも楽しめたのはスウェーデンの火力発電所の外観照明をやったことでしょうか。

一番チャレンジングだったのは、曲面形状を持つ建物がレンガに覆われていて

どうしたら光を均等に広げて当てていけるのかに苦心しましたね。

4年をかけてこのプロジェクトに取り組みましたが、素晴らしい経験になりましたし

一緒に頑張ってくれたチームの力なしではなし得なかったことです。

もう一つ、デザインのプロセスをとても楽しめたものが、あるプロジェクトのための特注器具のデザインです。

建築の案件とは違い、プロダクトとしての素材感や、生産性・利益についても考えなければならないので

そうしたバランスの中でいかに光源を照明器具にしていくアイデアを形づくっていくかということを学びました。 

 

Q.あなたにとっての「挑戦」はどんなことですか?

私にとって最も大きなチャレンジはいつ去るべきかを見極めることですね。

環境を選ぶことは重要です。どんな人々に囲まれているかということも。

ですから自分の価値の核となるものを長く一つところに置いていたくないし、

一つの会社に合わせるようなこともしません。 

 

Q.あなたに強く影響を与えた人はいますか?

KTHで学んでいた時が私の一つの転換点でした。

たくさんの素晴らしい経験をしましたが、中でも印象的だったのがクラスメイトのクラウディアでした。

いつも本当に本当に変わった質問ばかりしてくるの。

それとノートがすごいんです!いつもびっしりと、驚くようなスケッチがしてあった。

彼女はアリゾナの大学でライティングコンセプトラボに属していて、それからKTHに来た学生でしたが

いつも刺激を受けたし、とても仲良くなりました。

それから同じくらい大事な友人がもう一人、ARUPのシャブナム。

彼女たちが一番の友人でいてくれて本当に恵まれてると思う。

光やアイデア、業界についてなどあらゆることを話し合っていましたね。

それともう一人かかせないのが、建築家のヘリアムです。

自身のスタジオを開いて仕事をしていますが、とても聡明なだけでなく、ビジネスのことをよく知っています。

一緒に仕事をしていて、いつも驚くような刺激をもらっています。 

 

Q.あなたのインスピレーションの源はどんなことですか?

光に毎日インスピレーションを受けています。

私にとってのポイントは光がどのように放たれて、どのように反射して空間を形作るのか。

ライティングデザイナーは写真家と似ているところがあるかもしれません。

写真家のように、光の反射や瞬間を捉えていろんな光景を自分の中に積み重ねていくの。 

 

Q.「WOMEN IN LIGHTING」について思うことを教えてください。

まず、まだ女性には男性ほど多くないシチュエーションですが

女性が基調講演や質問を受けることが増えていくと信じています。

仕事において女性はおそらくスキルの高さや、揺るぎない自信を求められているように感じることが多いと思います。

私もそうですから。でもそうしたものを手にするためには挑戦していくしかない。

私もプロジェクトの依頼がきたら呪文みたいに「男ならどうするか」って考えることがありますし。

これさえやれば完璧なんてことはないと私は思っているので、ただただ挑戦を通して学び続けるのみです。 

 

Q.最後にメッセージをお願いします。

ビジネスを知ること。

それがどんなふうに動いているのかを知ること。

自分がどのように会社の利益になるのかを知ること。

この3つのどれがわかっていなければ、いくら良いライティングデザインができても不十分と感じます。

自分の専門性と、ビジネスを理解することが重要です。

あなたがビジネスやチームや会社の成長にとってどんな機会をもたらしているのかをよく考えてください。

それからライティングコミュニティーに入ること。

仕事に活力を与えてもらえますし、意見交換もできる。

そして自分の周囲の人、自分のおける環境を注意深く選ぶこと。

最後に国や国際的なライティングデザイナー協会の認定を受けることですね。