WILインタビュー:モニカ・ローボさん

モニカ・ローボさんのインタビューをご紹介します。

ブラジルでLD STUDIOというライティングデザイン事務所を創設し、クリエイティブディレクターとしてご活躍です。

 

動画はこちら

womeninlighting.com

 

注)

日本語訳ですが、結構端折っている部分や間違っている箇所もあります。

あまりに違うところは修正していきますが、大まかな意訳として大目に見てお読みいただければ幸いです。

 

Q. 自己紹介をお願いします。

モニカ・ローボといいます。ブラジル人でリオデジャネイロ出身です。

建築家でライティングデザイナーです。

LDスタジオという会社を創設し、そこでクリエイティブディレクターをしています。

私が照明の世界に入ったのは、偶然なんです。

リオデジャネイロの大学で建築を専攻した後、結婚でサンパウロに移ったんですが

現地に何のコネもない中で新聞でたまたま求人を見かけて応募したのが

サンパウロで一番の照明コンサルタント事務所でした。

本当にただただラッキーでした。

 

Q. あなたの仕事について教えてください。

特定ではなくいろんなジャンルの空間をデザインしています。

コンフォートゾーンを出ることで様々な光の表現を探るエクササイズになるから

とてもいいことだと思いますね。

 

Q. あなたの「ライティングデザイン」に対する考えを教えてください。

光を通じて考えること。

狙いを決めて物事を明らかにしたり、

つまらない空間を魅力的にしたり、

生産性を高めたり、見た目を良くしたり。

誰もにとって必要なものだと思うわ。

 

Q. あなたの「照明とテクノロジー」に対する考えを教えてください。

そうですね...ちょっと怖いと感じます。

今は神様みたいになんでもできるでしょう?色もレンジも明るさも自由自在。

世界を変えることもできてしまうから。

 

Q.時間があったらどんな研究をしてみたいですか?

表面が光と出会うことの研究をしたりすることが好きですね。

光源と素材のマッチングを深く知ることができるので。

 

Q.あなたのお気に入りのプロジェクトを教えてください。

それぞれ思い入れががあるので一つを選ぶのは難しいですが、

クレーンの作品でしょうか?

鉄のパーツに命を与えるような機会で興味深いものでした。

私自身を変えてくれたプロジェクトでもあり、他とは異なるもので、

私を別のレベルに引き上げてくれたプロジェクトでした。

 

Q.あなたにとっての「挑戦」はどんなことですか?

私にとっての大きなチャレンジは、日々の仕事の中で照明業界の隣人たちとコミュニケートすることですね。

日々の仕事の中で、良い光があることの価値を教育し理解を得る努力をしています。

 

Q.あなたに強く影響を与えた人はいますか?

特定の人はいないけれどたくさんいます。

キャリアも参考にしたいことも変化していくものだし、それは望ましいことだと思います。 

 

Q.あなたのインスピレーションの源はどんなことですか?

それぞれのプロジェクトが違った側面を持っています。

関わる人もプロジェクトごとに変わってくる。

デザインについてもそうだし、考え方という意味でも「違い」を生む機会なんだと思う。

その「違い」こそが、いつも私にインスピレーションを与えてくれるんです。

コンフォートゾーンを出て常に挑み続けるためにね。

 

Q.「WOMEN IN LIGHTING」について思うことを教えてください。

新しいムーブメントで、とても興味深いですね。

とても良いツールになるし照明にとって良い提起だと思う

私は自分のキャリアの中でこのようにジェンダーを意識したことがなかったですが

新しいモチベーションになると思います。

私の場合は、一つは常に自分のやりたいことにつき動かされてきて、それを信じられたということと

もう一つは、ブラジルには照明デザインのパイオニアである女性のデザイナーがいるんです。

彼女がアイコンとしていてくれたことも私にとってラッキーなことだったと言えるでしょう。

 

Q.最後にメッセージをお願いします。

私たちは女性の持つ特徴を喜ぶべきです。

例えば直感、たくさんのことをこなせる能力、共感力、繊細さ、勇気、回復力...

この時代に求められているものを持っている。

今が私たちの時代だって思うし、トップにいるんじゃないかしら。

 

WILインタビュー:アレッサンドラ・ベルトリーニさん

アレッサンドラ・ベルトリーニさんのインタビューをご紹介します。

イタリア出身で現在はバルセロナのARTEC3というライティングデザイン事務所でご活躍です。

 

動画はこちら

womeninlighting.com

 

注)

日本語訳ですが、結構端折っている部分や間違っている箇所もあります。

あまりに違うところは修正していきますが、大まかな意訳として大目に見てお読みいただければ幸いです。

 

Q. 自己紹介をお願いします。

アレッサンドラ・ベルトリーニです。

2016年からARTEC3スタジオというところで働いていて、今はバルセロナオフィスのプリンシパルを務めています。

私のバックグラウンドは建築で、イタリアで建築を学び2004年に卒業しました。

今でも記憶に残ってるんですが...卒業式の日に「建築家にはなりたくない」ってクラスメイトに言っていましたね。

学生時代はいろんな専門性を持つ人たちと大きなスケールの課題をやることが多かったので、

仕事でも大きなスケールのデザインを光でやってみたかった。

学生時代コルビュジエの設計したロンシャンの教会やバラガンのヒラルディ邸を見て

周りは屋根の造形なんかについて話しているのに、私はうつりゆく光や影に熱狂していて

その頃からすでに建築家の仕事には向いてないなと感じてはいたのですが

ありがたいことに二人の教授がライティングデザインの道を進めてくれ、

ローマの大学院に進んで建築照明デザインを学ぶことにしました。

それが照明業界でのキャリアの始まりになったかと。

 

Q. あなたの仕事について教えてください。

私たちの事務所では特定の空間にフォーカスしてはいないので

個人邸やギャラリーから都市のマスタープランまで幅広くデザインしています。

どの仕事も楽しんでいますが、制約があるプロジェクトがチャレンジングでいいですね。

小さいプライベートな住宅の仕事も好きです。

クライアントとの密なコニュニケーションを図るのも

ディテール作りのポイントになると思っています。

 

Q. あなたの「ライティングデザイン」に対する考えを教えてください。

例えば個人のクライアントのように専門知識を持たない方にはいつもこんな話をします。

素晴らしい建築があっても光がまずければその空間は残念なことになるし

逆に空っぽの部屋でも良い光があれば十分に雰囲気良く過ごすことができると。

建築にとってライティングデザインはケーキに入れるひとつまみの塩のような存在。

その空間の特徴や強みを際立たせるものなんです。

結局のところ光は建築の形を際立たせ、素材に追随し、色を引き出すもの。

ですから、とても美的な視点が求められます。

クライアントがプロのライティングデザイナーを参画させるということは

無駄な電力や予算を抑え、美しい空間を創出する大きな手助けになると思います。

プロはどのような製品を使えば最も良い効果を得られるかをよく知っていますし

デザインにおけるゴールを効率的に目指すことができるからです。

 

Q. あなたの「照明とテクノロジー」に対する考えを教えてください。

電気の行き届いていないような、経済的に豊かではない国に旅に出ると

ライティングデザインのあり方はもっと自然のサイクルに立ち返るべきじゃないかと感じます。

太陽と月のサイクルに基づいたルールがあって、

人々は日の出と共に起き仕事をし、日が沈めば仕事の時間は終わりで、

闇が迫る前に安全に帰路に着く必要がある。

とてもシンプルなアプローチで人々は生きています。

そんな旅先で何度か、普段見れないような満天の星空の下で、

少ないキャンドルを灯しながら食事をしたことがあるのですが

都会の街中やビルでふとそんな光景を思い返すごとに

シンプルな闇夜に心を引き戻されることがあるんです。

 

Q.時間があったらどんな研究をしてみたいですか?

蛍!蛍ですね。

蛍から自発光できるメカニズムを学ぶべきだわ!

 

Q.あなたのお気に入りのプロジェクトを教えてください。

一番誇りに思っているのは...大学院生時代のことなんですけれど

ナポリで行われた展示のためのプロジェクトで、私が初めてデザイナーとして関わったものです。

ポンペイで発掘された銀のアイテムを、展示デザイナーと共にデザインしました。

それはとても...色々大変だったけど...とにかく素晴らしかったの。

私たちは作品を守るために箱型のカバーをして、光源はMR16でした。

とにかくお金がないプロジェクトだったから自分で黒い厚紙を切って、

その上に白い紙を切って手製のフレームを作ったりして。

でも鉄の台に銀や金のアイテムを置いたとき、命が宿ったようだった。

展示の初日に招待され、たくさんの人が作品を見てくれているのを見て、

とても誇らしい気持ちでした。

記憶の中ではあれが一番かしら。

 

Q.あなたにとっての「挑戦」はどんなことですか?

多分一番チャレンジングなことは...イタリアの建設現場で働くことと、男性の工員が女性の指示を受け入れることですね。

これはかなり大変なことなんです。まず信用を得ること、それから受け入れられること。

 

Q.あなたに強く影響を与えた人はいますか?

3人います。

私が多くを学び、自分が誰でどこへ向かうのかを手助けしてくれる人たちです。

一人は私の祖母です。旅が大好きで、彼女は50年代から祖父を家に置いて一人で世界中を旅しています。

「気にしないわ、私には旅が必要なの」って。

できるだけ旅に出なさいといつも言われていました。

80歳の時ノートパソコンを欲しがってプレゼントしたんですが

旅を続けるのにインターネットが必要なんだとか。

二人目は私の母。4人の子供を育てましたが、そのことを障害とも思わず小児科医になることを諦めなかった。

仕事のプロと個人の生活を両立させることができると学びましたね。

3人目はライティングデザインやキャリアといちばん関わりのある人物でレベッカ・ウィールです。

ライティングデザイナーとしてとても尊敬しているし

イタリアに住んでいて働き始めたときに雇ってくれた女性です。

多くの信頼を与えてくれたし、たくさん勇気づけられました。

彼女はいつも前向きでいることを教えてくれましたね。

 

Q.あなたのインスピレーションの源はどんなことですか?

光よりも闇からインスピレーションを受けることが多いですね。

なぜならどんな光も闇から始まるから。

光は形や方向性を明らかにする存在。

そして光は魂を動かす力があると思います。

 

Q.「WOMEN IN LIGHTING」について思うことを教えてください。

超がつくほど男社会の国の出身者としては...(笑)イタリアってほんとに男社会なんですよ!

その男社会では、残念なことですが

照明分野に限らず女性が男性と対等な立場でやっていける可能性は低いです。

男性はプロとしての仕事100%集中することが可能で、女性はそうではないなんて

私はこんな馬鹿げた考えは止められると信じていますが

でも多くの女性が家庭と仕事に引き裂かれるという現状にあります。

もし現状を変えたいなら、まずは男も女も同じ責任や権利や立場にあって

仕事や家族に向き合うことが大事だと、

一人一人が認識を改めて受け入れることが必要だと思う。

 

Q.最後にメッセージをお願いします。

光は本当に素晴らしいものだと思います。

特に照明業界の女性たちへのメッセージとしては

あなたがどれほど成長できるかということに制限をかけたり

止めたりすることは誰一人としてできないんだいうことを伝えたいですね。

Women In Lighting

皆様はじめまして。

「Lyshus(リュスフース)」という屋号でライティングデザインの仕事をしております、廣木と申します。

こちらのブログでしばらく「Women In Lighting」というプロジェクトを中心にご紹介していきたいと思います。

このプロジェクトは

「理系の職業に従事する女性がまだまだ少ない中で、なぜ照明業界には女性が多いのか?」
という疑問を端に、
ロンドンを拠点に活躍するライティングデザイン事務所・ライトコレクティブが発起人となって
始まった世界規模の企画です。
ライティングデザイナーに限らず、教育分野や製造販売、照明関連雑誌の編集などに従事する方など含め
照明業界に生きる世界中の女性たちのストーリーを共有したり
各国での働き方や就労環境について統計的に俯瞰したりするなど
企画自体が新たなコミュニティの創出を促進し、
今後の照明業界の女性たちのあり方や、より良いバランスを求めて
議論し啓蒙していくプラットフォームになっています。
 

プロジェクトを世界とつなぐのは約60か国から集まったアンバサダーたち。

そして僭越ながら私が日本の大使を務めさせていただいております。

(正直なところまだあまり活動に貢献できていないのですが...)

ウェブサイトにはすでに世界各国の女性たちのインタビューを見ることができるほか、

インタビューを自身でアップロードすることも可能になっています。

https://womeninlighting.com

 

さてこちらの企画ですが、公用語は英語。

せっかくのインタビューも慣れない人にとっては見るのがちょっと大変ということで、

インタビューの内容を日本語で要約し少しづつではありますがこちらのブログに展開していきたいと思います。

本編と合わせてご覧いただければ幸いです。